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キング・C・ジレットと安全カミソリの誕生

替刃式安全カミソリの発明者

画像出典 : wikipedia

現在のような広く世界に浸透している本格派の替刃式安全カミソリの原型が出現したのは、1904年(明治37年)のことです。アメリカのキング・C・ジレットが苦心の末作り出し、一般に発売しました。

当時のT型カミソリは、刃先が鈍ってくると、いちいち研ぎにださなければならない面倒なものでしたが、C・ジレットは、ある日ヒゲを剃っているときに、使い捨ての替刃のア戦前カミソリを着想したと言われています。

この時、C・ジレットが考案した安全カミソリは、薄い鋼板の両側を研いで鋭利な刃とし、それをホルダーで支え、固定しているプレートの真ん中に取っ手をつけるというもので、ほぼ両刃安全カミソリにに近いものでした。

C・ジレットは、早速真鍮の切れ端と、時計のバネに使われる薄い鋼のテープ、小さな万力、数本のやすりを使って見本を作り出しましたが、実用化されるにはほど遠く、技術的な完成を見るまでには、それから10年近い歳月を必要としたと言われています。

とくに、鋼の薄い板から低価格の刃をどのように作るか、刃とホルダーの寸法、その調節方法など、解決しなければならない多くの問題があったのです。

やがて、エレベーターのプッシュボタンのシステムを開発した、マサチューセッツ工科大学教授のウィリアム・ニッカーソンが、C・ジレットに協力を申し出ます。

二人は、1901(明治34)年ボストンにアメリカン・セーフティ・レザーという会社を設立し、刃の適当な大きさ・形状・厚さを決め、鋼の薄い板への焼き入れ法を完成させ、現在の安全カミソリの技術的基礎を作り出してしまいます。さらに、カミソリの刃とホルダー間の調節方法を発明し、1904(明治37)年に基本特許が許可され、この年に両刃の安全カミソリが発売されたのでした。

しかし発売しても、その当時にアメリカでは、カミソリは丈夫で長持ちでなければダメ、という先入観があり、なかなか普及しませんでした。コーヒー・紅茶・香水・ナイフ・ワイシャツのカラーを景品にして、販売促進を行ったと言われています。

ジレットの安全カミソリが急速に普及したのは第一次世界大戦(1914~18年)が起こったことによります。アメリカ政府から、軍需品としてジレットの安全カミソリ350万本、替刃3600万枚が発注され、アメリカ兵とともに世界各地に運ばれていったのです。

このジレットの安全カミソリに刺激されて、1918(大正7)年頃までには、世界で340種もの安全カミソリが作られるようになりましたが、ジレットはパイオニアの強みを発揮して、世界最大のシェアを誇るカミソリメーカーに発展していきます。

※竹内康起著「カミソリ史記」より抜粋

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